猫姫のまったり茶屋

天気の良い日曜日の早朝5時、早く目が覚めてしまった私は、
家から5km離れた公園まで散歩に出かけることにした。
暖かい季節のためか、同じように散歩している人に挨拶をしつつ、
朝5時半頃か、とあるバス道を右に曲がった。
そこは、L’ESPOIRという名のアパートがある角だった。

ふとした拍子に、そのアパートの駐車場を覗いた私は、
そこに人の足が見えてギョッとして立ち止まった。
こわごわと覗いてみると、頭にヘルメットをし、
緑色のシャツと黒のズボンをはいた男性のようだ。
靴が片方脱げて転がっているのもわかる。

丁度2台のバイクにはさまれる形で、
道側からはほとんど姿が見えないため、
誰からも気づかれず放置されたようだった。
私はどうしようか悩んだ。
善良な市民であれば、警察に通報すべきだろう。
しかし、以前同じようなことで通報して、
発見状況の取調べやらでひどい目にあった経験のある私は、
「見なかったことにした」。

男のことが気になりつつも、私は、散歩を続けた。
公園にはついたものの、男のことが気がかりでたまらず、
ついて早々帰路についた。

行きと同じ道を足早に歩き、午前7時頃にアパートに到着した。
先ほどと同じようにこわごわと覗き込むと、
そこには変わらず倒れている男の姿。
1時間半以上も倒れたままで身動きしない姿にあせった私は、
大慌てで近くの公衆電話から110番通報をした！

不慣れな地理をきれいな声の女性に説明し、
すぐ向かうという説明を聞いた私は、
ひとまず逃げた。
そのアパートが管轄の交番こそ、
以前ひどい目にあった場所であり、
顔見知りなのだ。

しかし、経過が気になった私は、
そのアパートの付近をうろうろして、
警察の到着をいまかいまかと待ちわびた。
立派な不審人物である。

通報から5分ほど経ったろうか、
自転車に乗った警察官が2名、
颯爽と現れた。
そして、アパートの前を華麗に通り過ぎる警察官の姿！
・・・・
見なかったことにしよう。

以下箇条書き

警察官2名が男性を発見
　　　↓
外傷が無いのを見て取ったのか、男性を起こしにかかる
寝ていただけのようだ
　　　↓
パトカー1台が現着
　　　↓
男は
「頭にヘルメットを被っていた」
「外傷が無かった」
ため、ただ酔っ払って倒れていたと判明
到着早々パトカーは引き上げる
　　　↓
「ヘルメットを被ったままだったため」酔払い運転がばれた男は、
そのまま警察に切符を切られることに・・

自宅の駐車場で事情聴取を受けつつ、
切符を切られる哀れな男性の姿を横目に見つつ、
私は帰路に着いたのである・・・

通報してごめんなさい＞＜